2026 January

2026年2月前半号

Jan 29. 2026 かごしまんまだより

【葛湯万歳】
風邪やインフルエンザが流行る季節。皆さまは、どんなふうに乗り切っていますか?
私は、昔から変わらず「葛湯」です。
薬のように効能を期待するというよりも「あ、今日は少し無理をしたな」「喉の奥が怪しいな」というときに、身体を内側からゆっくり温めて緩めてくれる存在です。
葛湯の原料は、本葛。
漢方薬として知られる葛根湯と同じ、葛の根からつくられます。
けれど、白く美しい本葛になるまでの道のりは、とても“おだやか”とは言えないほどの手間と時間がかかります。
本葛づくりは、山の中に自生する葛を探し、時には人の背丈ほども地中深くに伸びた太い根を掘り起こすところから始まります。そうして採取した葛の根を洗って、砕いて、さらして、沈殿させて……何度も何度も水を替え、不純物を取り除き、ようやく残るのが、あの澄んだ白い澱粉。
気が遠くなるような作業の積み重ねの末に、ようやく「本葛」は生まれます。
ここ、かごしまんまのある大隈半島は、そんな本葛の産地のひとつ。
山に自生する葛を掘り起こして採取するため、もちろん無農薬です。
マグカップ一杯分の葛湯は、とてもシンプル。
・本葛 大さじ1
・水 200g
を鍋に入れ、鍋底が焦げないようにスプーンで静かに混ぜながら火にかけます。
透明だった液体が、ふっと変化して、とろみが出てくる瞬間。何度見ても、少し嬉しくなる瞬間です。
そこに、すりおろした生姜、金柑の甘露煮、はちみつや、お気に入りのジャムを少し。
最近のお気に入りは、金柑の甘露煮を甘味料代わりにして、生姜をガッツリ入れた葛湯。
生姜の辛さに、思わず「スースー、ハーハー」しながら飲み干して、そのまま布団に入ります。
次の日は「あれ?」と思うくらい、体のだるさが抜けていることが多いです。
冷えた体を内側から温め、張りつめていたものを少し緩めてくれる。私はこの季節、葛湯に何度も助けられています。
忙しい日々のなかで、ほんの5分。
自分の身体のために火にかける時間。それ自体が、もう『養生』なのかもしれません。
市販の安い『インスタント葛湯』は、本葛ではなく馬鈴薯澱粉(ジャガイモのでんぷん)が多く入っているニセモノです。
ぜひ『本葛』からつくる葛湯を飲んでみてください。お手頃な大隅産の本葛は、かごしまんま通販にもあります。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2026年1月後半号

Jan 15. 2026 かごしまんまだより

【食は薬である】
いつも「かごしまんまだより」を読んでくださり、ありがとうございます。
「解散を考えている暇はない」と発言してひと月後には衆議院解散を表明した高市首相。
しかし私たちの暮らしを直撃している物価高騰への対策、中国への問題発言、統一教会との癒着や裏金問題、維新の健康保険金不払い問題など、国民が納得できる説明や責任は、何一つ果たされていないように感じます。
そのような状況下、憲法で「戦争の放棄」を掲げている日本が、今なぜ所得税を増やしてまで軍事力を強化していく必要があるのか。国政を止めて解散選挙する必要があるのか。私にはどうしても理解できません。
また、こうした本質的な問題を大きく取り上げない日本のマスコミにも、強い違和感を覚えます。
世の中の空気は、どこか戦前を思わせるような不気味さを帯びてきているように感じます。
この物価高騰に終わりが見えない情勢で、多くの人が少しでも安い食材を求めるのは当然のことです。
けれども、モノの値段には必ず理由があります。安いものには安い理由があるのです。
人工的で“ニセモノ”に近いものほど原料が安価で安定しているので大量生産ができ、安くなります。
本来、食料とは自然の恵みからしか得られないものです。なので人工的につくられたものを口に入れると、身体は正直に反応します。まず舌が「おいしくない」と感じ、次に胃がもたれ、腸はうまく消化吸収できず負担がかかる。
結果として便秘になりやすくなり、全身で拒否反応を起こすこともあります。その代表例がアレルギーです。
日常的に人工物を摂り続けると、負担のかかり続けた部位の細胞が暴走し、がんやさまざまな病気につながることも。
しかし物価高の時代に、添加物や農薬、遺伝子組み換え(GM)を避ける食生活を続けるには、ちょっと工夫が必要です。 それは、買物時に「原材料が多いもの(加工品)」をなるべく避け、「原材料が少ないもの(基礎調味料)」を選び、加工品はできるだけ手作りすること。
具体的には、
避けられる&手作り可能な加工品→ドレッシング、焼肉のタレ、ポン酢、〇〇の素、漬物類、惣菜類等
こだわるべき調味料→塩、粗糖、酢、醤油、味噌、油類、料理酒類、その他各国の調味料類、スパイス類など
あると便利な常備品→にんにく、生姜、ごま、海苔、梅干し、季節ごとの香味野菜(ミョウガやゆず等)
ドレッシングや焼肉のタレなど実際に作ってみると、意外なほど簡単で、そして加工品がいかに高いかに気づきます。
加工品には、手間賃、容器代、パッケージデザイン料、送料、広告宣伝費まで含まれています。それを激安商品にするためには少しでも原料コストを下げ、少しでも売りやすくするために、人工物や薬まみれの原料や製造方法にならざるを得ません。
しかしできるだけ自分で手作りするようにすれば、安心できる材料で、しかも結果的に安く済むことも少なくありません。
こんな時代だからこそ、よりいっそう工夫して日々の食卓から、自分と家族の身体を守る選択をしていきたいものですね。

すい臓がんのため56歳で生涯を閉じたスティーブジョブズが、最期に残した五カ条の一つをここに紹介いたします。
「食事を薬と思って食べること。でないと薬を食事のように摂らなければならなくなる。」

今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2026年1月前半号

Jan 9. 2026 かごしまんまだより

【今年もよろしくお願いします】
新年おめでとうございます。
いつも「かごしまんまだより」を読んでくださり、ありがとうございます。
かごしまんまは2011年から、放射能、食品添加物、農薬、遺伝子組み換え(GM)等をできるだけ避けるという視点で、食材の提案や情報発信を続けてきました。
一方で、長引く経済不況と異常な物価高で少し疲れを感じてきたところでした。
そんな新年を迎えたばかりの1月6日。スーパーハルタさんの社長から突然お電話をいただきました。
「在来種の小豆を扱っているなんて素晴らしい!在来種は絶対守らなきゃ。ぜひ鏡開きの1月11日に、うちの店頭でぜんざいの実演販売をしてみませんか?」
ええっ!?11日って、あと5日しかないじゃないですか、マジですか?と私はあまりに驚いて笑っちゃいましたが、社長さんのその熱意あふれるお誘いで、お受けすることにしました。
次の日。さっそく営業許可の手続きのためにテント一式を持って鹿児島市の保健所へ行き、その帰りに初めてスーパーハルタさんを訪れました。
実は社長からお電話をいただくまで、私はスーパーハルタさんのことを全く知りませんでした。
スーパーハルタさんは、鹿児島市天文館にある地域密着型の食品スーパーで、地元の食文化と生産者を大切にしていることで知られています。店内には無添加や無農薬、素材を大切にした商品が多く並んでおり、でも一般的な商品もたくさんあって、オーガニック専門スーパーとも違う、とても面白い雰囲気でした。
特に印象に残ったのは、商品ひとつひとつに添えられた説明書きです。
原材料のこと、作り手のこと、なぜこの商品を扱っているのか。その背景まで含めて丁寧に書かれていて、読み進めるうちに『かごしまんまの商品ページ』を見ているような感覚にさえなりました。
店内放送も振り切っていて、久しぶりに居場所を見つけたようなホッとするような感覚になりました。
「マーガリンや植物油脂、アミノ酸を一切使用せず、バターやミネラル豊富な粗糖を使っています。本物を使うと、本当においしいんです。安心して食べられるシチューはいかがでしょうか。」
こんな店内放送、初めて聞きました笑。まるでかごしまんまだよりを音読しているかのような内容でした笑。
足を止めて聞いているお客さんや、熱心に商品の説明書を読むお客さんも結構いて感動しました。
興味がグングン湧いてきて、帰宅後はスーパーハルタさんのInstagramをじっくり拝見しました。
そこには、添加物や農薬、遺伝子組み換えに対する考えを率直に語る動画や、ひとつひとつの商品を丁寧に紹介する投稿が並んでいました。驚いたのはフォロワー数でなんと10.5万人。この日本でまだ10万以上もの人々が添加物や農薬や遺伝子組み換え問題に関心を持っているのだ、と元気出ました。
身体に入るものは安全性を考えて丁寧に選ぶこと。本物を使えば美味しいという、あたりまえの価値観。
それが堂々と日常の価値観として店内に満ちていること、そこに大切な何かを思い出すことができました。
食を通して、日々の暮らしに寄り添っていきたいとあらためて決意した出来事でした。
2026年も皆さまの冷蔵庫と食卓、そしておうち時間が、安心と幸せで満たされますように。
今年も変わらず同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江