かごしまんまだより

平成27年4月3日

Mar 30. 2015 かごしまんまだより

【3年間かごしまんまをやってきて思ったこと】
健康や環境のためにシャンプーや洗濯洗剤をせっけん系にするのが良いとわかっていても多くの方はなかなか実践できません。「せっけんシャンプーで洗髪すると髪がゴワゴワきしむ」「せっけん洗剤で洗濯すると溶けにくい」「衣類が黄ばんだり独特の香りが嫌だったりする」のでなかなか実践できないわけです。
また、放射能を避けるには放射能汚染の少ない土地に移住するのが一番ではありますが、しない理由も色々です。「仕事が辞められない」「仕事を変えられない」「仕事が見つからない」「知らない土地に行く決意がつかない」「家族の反対がある」「経済的に無理」・・・。それは生産者の方々も同じで、放射能汚染を知っていてもその畑や農業や仕事を捨てて新しい土地で新しい仕事を始めることはなかなか容易にはできないことです。
同様に、生産者さんがその農薬や肥料・飼料を使用するにはなんらかの理由が必ずあります。
もちろん、なるべくなら農薬は使用して欲しくありませんし、生産者の方がどのような農薬をどの時期にどのように使用しているかを知ることはとても大切です。
しかしその農薬や肥料・飼料を止めるよう要請するのであれば、価格的にも効果的にも同等の代替品を提案することや、その農家さんの生産物が失敗しても全て買い取るくらいの責任を持つということ等を念頭に入れなければなりません。でなければ生産者さんは潰れてしまいます。創立当初はそんなことも気にせず思いのままに農家さんに要望してしまうこともありました。
3年ものあいだ農家さんとおつきあいしてどういうふうに農産物を栽培してどういう苦労をしているか知るにつれて、農薬(特にネオニコチノイド系や有機リン系)があまり体に良くないとわかっていても、魚粉を使用して欲しくないなと思っていても、農家さんにただ要望するだけというのはなにか傲慢だな、と感じるようになりました。
実生活においてもそうです。10人いれば10人それぞれの考え方があって、自分の考えがいくら正しくて真実であっても他人にただ強要するだけでは必ず反発や衝突が起こります。良好な関係は、お互いを思い遣って尊重し合い、時には助け合うからこそ持続するものです。
私達はなるべく放射能汚染や農薬の心配がない安心安全なものを食べ続けたい。かごしまんまはそれを『近隣の減農薬・無農薬栽培の農家さん』に伝え続けると共に、生産性や人件費や費用対効果などの問題とすり合わせながら少しづつ実践してくださる生産者さんに協力し痛みもわかちあうべきだと考えています。『遠方の有機農家さん』から野菜を仕入れると輸送費や「有機栽培」というブランド代が野菜にかかり、かつ鮮度で劣り、何か問題があった時に対処が迅速にできないのでなるべく『近隣の生産者さん』に絞っています。
先週の「新馬場さんの玉ネギの玉が大きくならなかった件」や「落雷によって芽や根が出てしまって廃棄処分になるニンジンの件」のように、無農薬・減農薬栽培では特に色々なことが起こります。失敗を生産者だけの負担にせず、『常識的』には売り物にならないような野菜となってしまっても、かごしまんまとしては消費者の皆様にきちんとご説明させて頂き、新鮮で問題ないなら野菜セットに入れます。廃棄処分の運命の野菜でも工夫次第で美味しく食べられるようならオマケとして入れさせて頂きます。
だって私達は、その『常識的』な世間一般の野菜や食材を食べたくなくてかごしまんまから買っているのですから。
ですからこれからも『非』常識的な野菜が入りますことをどうぞご理解くださいますようお願い申し上げます。
そうして、生産者さんと協力し合い少しづつ運命共同体になっていくことで、生産者さんも消費者である私達の知識や考えをもっともっと知ろうとしてくださりより良い関係が築き上げられていきます。
絶対的少数派の私達ではございますが、暗いニュースばかりの世の中ではございますが、(ちょっと不格好であったりはしますが)美味しい野菜と食材を食べて、今日もまた同じ空の下で共に頑張っていきましょう。

Edit by 山下 理江

平成27年3月27日

Mar 26. 2015 かごしまんまだより

【野菜セットの葉玉ネギについて】
前回のかごしまんまだよりに書きましたように、かごしまんまの野菜セットは、ご近所の生産者さん数軒と大丸実業さんが市場から買い付ける野菜とで成り立っています。
今回の野菜セットの中の『葉玉ネギ』は、無農薬栽培でおなじみ新馬場さん(女性・推定70歳)がつくってくださったものです。これは新馬場さんの所属する会社の社長さんが、おいしくて安心な野菜を求めて買い付けに行った沖縄で、「玉が大きくなる品種だよ」と勧められて買い付けた玉ねぎの苗を、新馬場さんの畑で初めて栽培したものです。
ですが沖縄のこの玉ねぎの苗は、鹿児島の新馬場さんの畑では大きな玉にはならず、葉っぱが立派においしく育って『葉玉ネギ』になってしまいました。玉ネギ本体の玉の部分も美味しいのですが、大きくさせようと長めに栽培したので、新玉ネギにしては少し硬めになってしまっています。
農家の人はいつもキレイな形や大きさの野菜をつくれるわけではありません。天候、気温、土壌などによって出来が左右されます。特に初めてつくる野菜は、その畑の土壌成分とその野菜の相性が合うまで試行錯誤で化学肥料や堆肥や農薬を変えたり、植え付け時期を変えたりします。最終的に相性が悪い場合はつくる野菜を変えます。
さらに化学肥料も農薬も使わない栽培方法では、一般的にあるようなキレイな形や大きさの野菜が作れるようになるまで何年もかかります。
同じ無農薬栽培の井之上養豚さんは玉ネギのベテラン農家ですので今年も大きくて立派な玉の玉ネギが収穫できています(葉っぱよりも玉ネギ本体に栄養が廻るので、井之上養豚さんの葉っぱ付玉ねぎの葉は新馬場さんの玉ネギよりもかなりしょんぼりして葉先も黄色くなってしまっているのでカットしているのです)。しかしそれは、いい玉ネギを収穫できるようになるまで何年も何年も試行錯誤してきた結果なのです。
普通のバイヤーさんは今回の新馬場さんの玉ネギを買わないことでしょう。しかし、それでは無農薬栽培で頑張る農家さんはどんどん辞めていってしまいます。私達のために無農薬で安全な野菜を供給しようと頑張っている農家さんを応援するために、かごしまんまでは今回のような玉ネギも試食してみて問題ないようなら買い取ります。ただし、玉ネギとしてではなく『葉玉ネギ』としてセットに入れることにしました。無農薬なので、葉っぱの先まで全て美味しく食べられます。生産者と消費者が協力し合ってこそ安全な食材供給が続けられます。無農薬の契約野菜はこういうこともあるものだ、とどうぞご理解賜りますよう心からお願い申し上げます。

【おまけのニンジンにつきまして】
鹿屋市は南国の平地なので落雷の被害に遭いやすい土地です。一昨年の落雷ではかごしまんまの車庫の電動シャッターが壊れてしまい、お隣の郵便局ではATMが壊れました。先日、鹿屋市はひどい雷雨に見舞われました。その落雷で生産者さんのプレハブ冷蔵庫のブレーカーが破壊されて冷蔵庫の電源が落ちてしまったので、予冷してあったニンジンがヒゲ状の根をはやし始め、芽を出して成長し始めてしまいました。生命力って本当にすごいですね。生産者さんからの「ニンジンは全てダメになりました」の連絡でそれを知り、廃棄処分にするところをお願いし無理を言って引き取ってきました。市場では売り物にならなくても、見た目が悪いというだけでケアをすれば十分美味しく食べられるからです。しかも無農薬・無化学肥料栽培のものでとても貴重です。
食べ方は、溶けている部分や変色している部分を包丁でカットし、必ず皮をむいてお召し上がりください。
包丁や手に溶けた部分が付着するので、衛生上、火を通して食べることをお勧めします。
ただ、ヒゲが無数に生えて芽も出て、しかもそれが変色していたり溶けていたりしますので「気持ちが悪くてどうしてもさわれない」という方には本当に申し訳ないですが、お手数ではございますがそのまま廃棄してくださいますようお願い申し上げます。

Edit by 山下 理江

平成27年3月20日

Mar 19. 2015 かごしまんまだより

【かごしまんまの野菜セット】
かごしまんまの野菜セットは、ご近所の生産者さん数軒と大丸実業さんが市場から買い付ける野菜とで成り立っています。
最初のうちは有機野菜にこだわるあまり遠方の生産者さんからも仕入れていましたが、配送料がかさんで品種も量も少なくなり鮮度も落ちてしまうことが悩みの種でした。お野菜の味はやはりなんといっても鮮度が決め手です。野菜セットは『子供がいる標準的なご家族の1週間分』を想定して、新鮮でかつ量と品種が多いようにしたいので、現在はかごしまんまのご近所でかつ無農薬や減農薬に取り組んでいる生産者さんから仕入れるようにしています。しかしかごしまんまのある鹿屋市は、旧海軍鹿屋航空基地(現在は海上自衛隊基地)が存在していたことからもわかるように鹿児島県きっての大きな平野です。標高が高いところがなく高原野菜ができません。さらに南国なので、作付けできる野菜が決まってきてしまいます。例えば今の時期はどの生産者さんも大根や小松菜、新玉ネギを作っていて、かごしまんまに営業に来られるのでお断りするのが大変なくらいです。
特に鹿児島の夏は野菜にとって厳しく、あまりの日差しの強さに葉物はほとんどつくれません。見渡すかぎりイモ、イモ、イモ・・・畑になってしまいます。もともと無農薬・減農薬野菜は大量生産できません。その上できる野菜が決まってきてしまう夏は本当にきついです。なので、年間を通して新鮮でかつバラエティ溢れる野菜セットに安定させるために、市場に買い付けに行ける大丸実業さんから毎回2~4品目仕入れています。これにより、鹿屋市以外の近郊野菜や佐賀のレンコンなど特定産地でしか栽培できない野菜も比較的低価格で新鮮なまま仕入れることができるのでバランス良い野菜セットになります。ただ、市場で買い付けした野菜は減農薬かどうか調べられないことも多いのが欠点ですね。なので大丸実業さんは、なるべく農家さんが直接市場に持ち込んできてくれている野菜を買い付けするようにしてくださっています。
鹿児島県鹿屋市という土地の特徴を生かし、新鮮で、なるべく減農薬、なるべくたくさん、なるべくバラエティに富んだ品種の野菜セットにするためにこういうスタイルになりました。

放射能や添加物や農薬への防御生活は一生続くものです。普通のご家庭がなるべく負担が少なくなるべく長く防御生活を続けられるように、ということを一番に願っています。完全な防御はできないですが、これからもバランスよいこだわりを持ってなるべく低価格で安心な野菜や食材をご提供させて頂けるよう頑張っていきますね。

【お肉の進捗状況】
はじめは鹿児島県産の普通のお肉を、と思って商品開発していましたが、やはり餌や育て方を調べれば調べるほど普通のお肉は悶々としてしまいます。豚は黒豚のほうがより安心な飼育と飼料でした。鶏も普通のものは抗生物質や抗菌剤使用していたり飼育方法が不健康だったりしますね・・・。そりゃ安いお肉はそうなってきますよね・・・・。でもこだわれば価格も上がります・・・。生産者さんと消費者の皆さんにはお待たせして申し訳ございませんが、もう少し待っていて下さい。安心へのこだわりと価格とのにらめっこが続きます・・・。

【乳製品の価格が上がります】
4月から九州の牛乳・乳製品の価格が1kgあたり10円ぐらいづつ上がることになりました。かごしまんまは予約販売という形態上、もう4月分のご注文も多く頂いております。かごしまんまは4月1日発送分から価格を上げる、ということがシステム上できないため、大変申し訳ございませんが既に価格改定させていただきました。ご理解よろしくお願い申し上げます。

Edit by 山下 理江

平成27年3月13日

Mar 12. 2015 かごしまんまだより

【メーカーのご協力が得られる加工品は、原材料ごとに放射能検査をします】
給食の1食分まるごとを放射能測定しても、おそらく数値はいつもND(検出限界以下)になることでしょう。それはたとえ汚染された椎茸やタケノコが給食に入っていたとしても、子供の1食分の給食のおかずに含まれるそれぞれの量は微々たるものになってしまい、そこから検出限界値以上の放射能が検出することは今の科学技術での測定機械では困難だからです。しかしはたして私達はそれで安心できますでしょうか。給食の放射能検査をするならその食材ごとに検体として1kg用意し、放射能検査をしてその結果を公表し、放射能汚染された食材は給食に使用しない、というのが本当の「食の安心」につながるのではないでしょうか。
同様に、商品に対してもただ商品まるごと放射能検査してOKというのはなんかちょっと違うな・・・とずっと感じていました。しかしただでさえ九州の生産者やメーカーに原材料の産地や添加物の詳細を2次原料(原材料の中のそのまた原料の事)まで開示していただくのは怪訝な顔をされることがしばしばあるのに、さらに「商品を1kgご用意してもらって放射能検査させて頂けないでしょうか」というのはとても勇気がいるものです。
原材料の産地を聞く時点で「安心な国産だよ」と言われることも多く、「国産の中のどこの地域でしょうか」と聞き直すと「わからないよ」と調べてくれなかったり「そんなにめんどくさいことになるのなら、うちの商品はおたくの会社で扱わなくていいよ」と断られてしまったりすることもあります。
その上さらに「原材料ごとに検体を1kg用意して放射能検査させて頂けないでしょうか」なんて今までなかなか言えませんでした。
しかし新たにお取引していただけることになったサン食品さんは食の安全にとても熱心な会社で、初めての商談でも私の「添加物・放射能・遺伝子組み換え・農薬をなるべく使用していない商品へのこだわり」にとても耳を傾けて聴いて下さり共感していただけました。そこで2回目の商談で勇気を振り絞って「誠に恐れ入りますが、もしご協力いただけるのなら厚揚げや豆腐の、原材料ごとに放射能検査のために1kgづつご用意いただけませんでしょうか。つまり大豆1kg、国産菜種油1kg、にがり1kgなのですが・・・」とお願いしてみました。すると2つ返事で「いいですよ、すぐにご用意しましょう」とおっしゃってくださいました。私はびっくりして思わず心のままに「ありがとうございます!!狂っているでしょう?ホントにすみません!」と言いました。するとサン食品さんは「狂ってなんかいませんよ、食に対する安全への追求じゃないですか。わかりますよ」とおっしゃってくださったのです。私は思わず涙が出そうになりましたが、ここはビジネスの場ですのでなんとかこらえて、お礼を何度も言いました。商談が終了しサン食品さんが帰られると、壁1枚隔てて受注作業をしていた避難ママみきちゃんも「やったじゃないですかっ!!」と満開の笑顔で嬉しそうでしたので、それを見た私ももっともっと嬉しくなりました。
これからサン食品さんに検体を用意して頂き次第、すぐにこどもみらい測定所さんに測定依頼をかけます。放射能測定結果はシートごといつものようにブログにて公開しますね(2~3週間後)。

【新商品企画が続々進行です】
いつも皆様にはツイッターやご注文時のメッセージやメールなどで、たくさんのご意見・リクエストをお寄せ頂き、こんなにも深く消費者と小売りと生産者が身近につながれていることを、とても嬉しく感謝いたします。これからも皆様にご相談させて頂きながらより良い商品企画をしていきます。
肉類の販売開始はおそらく今月末か4月になるかと思います。肉類は真空パックなので冷蔵配送が可能でかつ賞味期限も長めです。どうぞ楽しみに待っていてくださいネ。

Edit by 山下 理江

平成27年3月10日

Mar 9. 2015 かごしまんまだより

【生産者直売コーナー出店をしばらくお休みします】
千葉と東京の一部でさせて頂いておりました生産者直売コーナー出店をしばらくお休みすることにしました。 実は2週連続で忙しさの為に商品を直売コーナーに送れずにいたのですが、先日、東京の生産者直売コーナーで『きゅうり216円』の売上があったのです。
2週間も野菜を出していないのにきゅうりが売れたということは、そのきゅうりは2週間以上前に収穫したものだということで、大変ショックでした。せっかくかごしまんまの野菜を買ってくださったのにそんな古いきゅうりを召し上がるなんて、心がとてもとても痛みました。また、売れたことが分かっているのにどこのどなたなのか分からずご連絡してお詫び申し上げることもできないことにもどかしさを感じました。通販ならばすぐにお客様とご連絡が取れるのに・・・となんともやりきれない悲しい気持ちになりました。
関東の方にかごしまんま食材を手軽に買ってもらいたい、「届けて応援」したい、という気持ちのもとに直売コーナー出店をやってまいりました。 しかし、せっかく買ってくださったお客様にはなによりまず第一にかごしまんまの野菜の新鮮さや美味しさを感動して頂きたいです。
2週間前に収穫したきゅうりや、しなびた見切り品をお客さんに召し上がって頂くのはかごしまんまにとって身を切られるような思いで苦しいです。 今回のきゅうりの件でやはりスーパーなどでは野菜は実際の鮮度よりも見た目で売られそして買われていくのだなあ、と学びました。
かごしまんまの野菜や食材は決して安くはありません。買ってくださるお客さんには、その鮮度と美味しさと安心に感動して頂きたい思いでスタッフ全員やっています。 「売り場での届けて応援」は、かごしまんまスタッフが売り場の野菜・食材の鮮度や状態を見られる環境が整ってからやるべきだと判断しました。
皆様には応援してくださったり直販コーナーで買ってくださったりしたのに、休止する決断をしたことを心からお詫び申し上げます。
できないことを認めて軌道修正し、できることに専心してブレない企業哲学を遂行したく思います。
どうぞこれからもよろしくお願い申し上げます。

【新商品企画が続々進行中です】
いつも皆様にはツイッターやご注文時のメッセージやメールなどで、たくさんのアドバイスやご意見・リクエストをお寄せ頂き、心から感謝いたします。
こんなにも深く消費者と小売りと生産者が身近につながれていることを、とても嬉しく有難く思います。
これからも皆様にご相談させて頂きながらより良い商品企画をしていきます。本当にありがとうございます。
先日は熊本県産の減農薬栽培レモン果汁などを商品UPしました。
これから新商品UP予定としては、有機栽培茶の廉価版、減農薬栽培の深蒸し茶、本葛、油揚げ、厚揚げ、木綿豆腐、絹ごし豆腐、寄せ豆腐、広島県産こんにゃく、広島県産糸こんにゃく、大豆もやし・・・・そして肉類(冷蔵)です。
肉類の販売開始はおそらく今月下旬から4月になるかと思います。肉類は真空パックなので冷蔵配送が可能でかつ賞味期限も長めです。

どうぞ楽しみに待っていてくださいネ。

Edit by 山下 理江

平成27年3月3日

Mar 2. 2015 かごしまんまだより

【無農薬・減農薬栽培の野菜を求めるということ】
今回のおまけは平岡農園さんで無農薬・減農薬栽培(植え付け時に1回だけ農薬をかけたのみ)された野菜です(新玉ネギを除く)。見た目が悪くて売り物にならず廃棄処分になるものを『おまけ用』として買い取らせて頂いたものです。表面が割れていたり穴が開いていたり大きすぎたり小さすぎたり見た目が悪かったりしますが、傷んでいるところを包丁でカットしてから調理すれば美味しく召し上がれます。自然界は空気中も土の中も過酷で、無農薬野菜は色々な細菌や虫などの野菜を襲う生き物と自らの力で戦って生きています。その戦いの傷跡が、表面のシミや穴だったりするのです。自己治癒力で野菜も頑張っているんですね。
そういう傷跡は自然界では当たり前で、むしろ綺麗な野菜の方が本当は怖いんですね。
今回のおまけは実は平岡さんがいつものように収穫野菜を持ってきた時にポツリと言った事から企画しました。
「このブロッコリーも結構ダメなものがあって捨ててきたんだよ。今年はニンジンがネコブセンチュウにやられて半分くらいダメになっちゃった。だから俺、息子に言ったんだ。無農薬はこうやって虫や菌にやられちゃうし手間もすごくかかるから慣行栽培野菜の2倍の価格にしないととてもじゃないけど割にあわないよ、ってね。」
えっ?捨ててきた?!なんともったいない・・・そこで、ご提案させて頂きました。
「無農薬・減農薬を求めるかごしまんまにとってもお客様にとってもとてもいい勉強になりますので、ぜひ売り物にならない野菜を買い取らせてください。『おまけ』として皆さんにおすそ分けして召し上がって頂きますから。そして無農薬・減農薬栽培の野菜を求めるということは見た目が悪い野菜も受け入れる消費者側の理解もないと、生産者さんが安心して続けていくことができない、ということをまんまだよりにも書かせてください。」と半ば無理矢理お願いしました。
無理矢理というのは、平岡さんは『減農薬でかつ綺麗な野菜しか出さない』ポリシーなので、いつも相当な野菜の量を選別して、2時間近くかけて全ての野菜を水洗いして桜島からの降灰を落としてからかごしまんまに野菜を納入しています(なのでいつもキャベツがビショビショでよく水を切っても新聞紙が濡れてお客様に届く事が多い)。「お客さんに汚い野菜は出せない」といつも仰る平岡さんですからめったに見た目が悪い野菜を分けてくれません。霜にやられて白い斑点が付いたキヌサヤを野菜セットに入れた時もとても気にされていました。
無農薬・減農薬栽培はヘたすると半分以上が見た目の悪いものになってしまうものです。でもこれこそが本当の安心安全な野菜なのだと思いませんか。安心安全を求めるなら消費者は、時には見た目が悪くても多少の穴やキズがあっても理解して受け入れ続けることが、生産者も安定して生産し続けられることにつながっていくのです。
現実的には、青果市場では形も大きさも量も揃っていて見た目がきれいでかつ安い野菜から売れていきます。スーパーでは消費者は見た目と価格で野菜を買っていきます。こういう市場ニーズに適した野菜を作るには、徹底的にコスト削減に努め、大きな畑、大きな農機具、大量の農薬・化学肥料が使われるのが通例です。
このような慣行栽培(農薬・化学肥料使用のごく普通の栽培)に対し、無農薬・減農薬栽培は大変な手間とリスクがあります。除草剤を使う代わりに草刈り機か人の手で草を刈らねばなりません。もしくは防草シートをかけなくてはいけません。草はまだ防げるとしても、細菌や虫にやられて見た目が酷くなってしまったり、病気になって野菜が全滅したりすることもしばしばです。もともと農業は暑さ寒さにさらされ、雨が降らないとダメですし逆に雨が降り過ぎてもダメですし、台風や雪や霜など自然とにらめっこの過酷な職業です。生産者にとって、農薬や化学肥料はいかに経費や仕事負担を減らして、いかに野菜が見た目よく成長したり細菌や虫にやられたり病気にならないようにするためには必要なものなのです。なぜなら多くの消費者が望んでいるのは『安くて見た目がいい野菜』なのですから。消費者のニーズが大量の農薬や化学肥料を必要としているのです。
そういう世の中で、減農薬・無農薬栽培を続けることがどんなに大変で苦労が多いか・・・・。
今回はそんなことに思いを馳せて頂きながら、美味しくて安全な『おまけ』をぜひご賞味くださいませ。

Edit by 山下 理江

平成27年2月20日

Feb 19. 2015 かごしまんまだより

【鹿屋で暮らしてみて思うこと(移住や保養の参考にしてください)】
生まれも育ちも千葉県だった私が、311を経て鹿児島県鹿屋市に移住して3年。はじめは暮らしていけるのかちょっと不安でしたが今やすっかり鹿屋市民。今回は千葉県民から見た驚きの鹿児島人気質をご紹介します。
『ちょっとのことは気にしない』
スーパーや野菜直売所等で野菜や果物の袋の中に虫が入っていても多少傷んでいても平気で売られています。こちらでは農家の人が普通に野菜や果物や米や加工品を手作りして販売しているのですが、袋詰めも中身もかなりいい加減です。ビニール袋に中力粉や米やそば粉を入れてテープで軽く留めているだけ。小石や小さなゴミが入っていることもしばしば。野菜は灰を被ってます。今日も椿油に「焼き芋」というラベルが貼ってあるのを見かけました。でもみんな全然気にしない。そういうことを指摘しても「あら、ほんと」と悪びれずに笑うだけです。
桜島の灰が年中降り注ぐ鹿児島では、ちょっとのことを気にしていたら生きていけないのかもしれません。
野菜の生産者もはじめは傷んだものをかごしまんまに納入してきたりしました。こちらでは少しくらい痛んでいても販売するからです。かごしまんまのその他の商品も、いつのまにか名前やラベルが変わっていたり大きさや重さが変わっていたり賞味期限の打ち間違いがあったりします。そのたびに関東人の私としてはいちいち生産者に交渉したり確認したりして神経をすり減らします。でもそういう時の生産者の皆さんは一様に「別にちょっとくらいいいじゃん」というようなおおらかな感じでいるのです(涙)。
『電車がない』
鹿児島の大隅半島は電車がありません。鹿屋市民はだいたい家の近所に仕事場があります。成人するとみんなだいたい車を持っていて、だいたい軽自動車か軽トラで、おじいちゃんおばあちゃんもだいたい車を運転しています(危険)。関東人と違って通勤時間がほぼ無いに等しいので時間にかなりゆとりがあります。通勤ラッシュがなく、おしゃれにもそれほど気を遣わないので精神的なゆとりもかなりあります。18時にはだいたい仕事が終わって帰宅している人が多いです。電車がないので飲み屋街には運転代行の車がたくさん走っています。そしてそれら運転代行はタクシーよりもかなり安くてみんな気軽に利用していてびっくりしました。
給料や時給は関東に比べてかなり低いですが、家賃も安く、生産者直売所や無人直売所がかなりあり、収穫したての野菜・果物や手作りの加工品が安く手に入ります。また鹿屋の人はあまり鹿屋市内から出ません(千葉県に住んでいるときは都内や横浜とか他県に出るのはしょっちゅうでしたが)。鹿屋市民は鹿屋市内にあるツタヤ、ユニクロ、しまむら、バースディ、西松屋、アベイル、ケーズデンキ、ヤマダ電機、生協、ドラッグストア、スーパー等でなんとなく生活できちゃうのです。電車通勤ですと、人々のおしゃれの流行やつり革広告や乗換駅の駅ビルの中のお店など物欲を刺激するものがいっぱいあるのでお金をつい使っちゃいがちですが、鹿屋にいると物欲がまるで刺激されないのです。お金をあまり使わなくなります。そして時間的にも精神的にも余裕がある。するとどうなるか。金柑の時期には金柑甘露煮をつくる。大根の時期には切干大根を庭先に吊るす。味噌作りの時期は近所でいっせいにやる。自分の山林で椎茸を栽培する。椿の種ができる時期には椿油をつくる。梅の時期には梅酒や梅ジュースや梅干しをつくる。子供の日にはあく巻きをつくる。生活において『てづくり』が普通になるのです。鹿屋は関東が忘れた、古き良き日本があります。ちなみに今の時期は干し大根漬け用の材料である干し大根がスーパーの店頭に積まれています。すごい匂いを放ちながら。電車がない、って本当にすごいです。
『温泉が普通』
近所に温泉が何か所もあり、仕事前や仕事後にひとっ風呂入るのが日課の人もたくさんいます。高齢者は市町村から無料入浴券が発行され、温泉は人々の生活の一部です。私も近所の温泉の年間パスポートを持っています(千葉にいた時は年間パスポートと言えばネズミ―ランドが思い浮かびましたが)。
はじめは都会がとても恋しかったですが、いまやこんなおおらかな鹿児島の土地や人々が大好きです。

Edit by 山下 理江

平成27年2月17日

Feb 16. 2015 かごしまんまだより

【無農薬ピーマン全滅】
ぐるめ畑さんの今季収穫のピーマンがアブラムシにやられて全滅したそうです。アブラムシはピーマンの茎について養分を吸って育ちを悪くしたり、ピーマンの実自体にたくさん傷をつけたりしてしまいます。このピーマン、実は有機JAS規格も取得している畑のものですが、有機JASマークを商品に貼るとお金がかかり商品価格が上がることもあって「特別栽培サラダピーマン」として販売していたものでした。
有機JAS規格は国がつくったもので、取得するのに講習会や検査やマーク印刷やシール・・・それぞれにお金がかかってくるので農家にとっては大変な負担となります。そしてそれらの費用はもちろん商品に反映されるので慣行栽培の野菜に比べて有機野菜の価格がかなり高くなってしまいます。ですから有機栽培している農家も有機JASを取得していなかったりするのです。・・・・おおっと、話がまたおかみへの怒りにシフトしてきましたので、元に戻します。ぐるめ畑さんの今季のピーマンは全滅です。無農薬栽培や減農薬栽培ではよくあることです。
野菜はもともとの単価が安い上に、種まきしたり水やりしたり間引きしたり防虫対策したり収穫時には水洗いして袋詰めしたりと様々な工程があって、時給換算した時に全然お金になっていません。少しでも安い野菜を作るために、少しでも作業効率を上げるために、農薬や化学肥料を使います。
農薬を使わない場合は広い畑にアブラムシの天敵であるテントウムシを放ち、アブラムシを食べてもらって駆除します。気の遠くなる作業です。そしてそれも報われずに今回のように全滅してしまうことも多いのです。ですから減農薬や無農薬栽培をして下さる農家さんは少ないのです。それでもこういうリスクも含めて、志の高い農家さんは私達消費者の安全のために血のにじむような努力と苦労をされて頑張っているのだなあ、と改めて農家さんを心から尊敬しました。

【肉の取り扱いを始めようと思います】
今までかごしまんまでは肉を取り扱ってきませんでした。それは冷凍でしか送れない状況だったからです。冷凍便はクール便と分けて送るので、送料負担がかかってしまいます。冷蔵で発送できて、かごしまんまから近いところで、鹿児島県産でおいしくて手ごろな価格で・・・となるとなかなか難しかったのです。
でもこのたび、かごしまんまに近いお肉屋さんでやってくれることになりそうです。黒毛和牛の牧場を持っているお肉屋さんです。正確に言うと、黒毛和牛の牧場の人が始めた肉屋さんです。豚肉や鶏肉も仕入れることができ、冷凍・冷蔵技術や真空技術のすごい設備を導入されているので冷蔵で発送できるとのことです。
ツイッターでどんな部位を商品化して欲しいか皆さんに質問しましたところ、鶏モモ肉、鶏ひき肉、豚ひき肉、豚小間切れ、牛ひき肉が圧倒的に多かったので、やはり皆さん、日々の忙しい時間の中で素早く美味しく子供が食べてくれるような部位が欲しいんですね~、と思いました。
まだまだ肉の部位についてのリクエスト承っています。どうぞリクエストくださいませ。
そこそここだわって、なるべく普段使いの価格帯で、お野菜などと同梱できるように冷蔵のお肉、なるべく早く取り扱いを実現させるよう頑張りますね。
遠い地で起きた、どうすることもできない悲しい出来事のニュースが頭から離れない方もたくさんいると思います。私もそうです。世界は、日本はいったいどこへ向かっていくのでしょう。今、自分にできることは何か、考え続けています。きっとそのはじめの一歩はまず、愛する人のために家族のために、一緒に過ごせるかけがえのない時間を大切にして笑顔をたくさん見せて、いっぱいぎゅうしてあげることではないでしょうか。だって私達も愛する人・家族の笑顔やぎゅうが一番のやすらぎなのですから。

Edit by 山下 理江

平成27年2月10日

Feb 12. 2015 かごしまんまだより

【オーストラリアスパゲッティ秘話】
放射能の事をいろいろ調べていくと、チェルノブイリ由来の放射能がまだ北半球を汚染し続けていて、ヨーロッパのナッツ類やベリー系のジャムや小麦粉やパスタも数値が出ていることが分かってきます。「もうパスタも我慢しなきゃいけないのか・・・」と絶望していたところにオーストラリア産スパゲッティをSGNフーズ合同会社さんがお取引してくれ、安心して子供達にパスタを食べさせてあげられるようになりました。
今回はそのSGNフーズ合同会社さん(以下、字数の関係でSGNさんと記載します)の事を書きますね。
SGNさんとお電話でじっくりお互いの事を話す機会があり、実はSGNさんも私と同じ千葉県のご出身でしかもかなり近所であったことが判明し、盛り上がってしまいました。
SGNさんは311の次の日には様々な情報から判断して、千葉からご夫婦と息子さんと娘さんの一家全員で岐阜に避難したそうです。すごいですね。ご主人の前職は大手日用品メーカー国際事業担当、奥様は医薬品関係の研究開発職だったそうで、311を境に全てをリセットし、まさか食品を扱う会社をつくることになろうとはそれまでの人生で夢にも思わなかったそうです。しかし食の安全について色々な論文や文献・資料を読んでいくうちに、南半球のオーストラリアやニュージーランドの安全な食料を日本の子供達に食べてもらいたいと強く思うようになり、ご苦労にご苦労を重ねてご家族で力を合わせて今日まで安全な食の供給に走り続けていらっしゃいます。
なかでも最初に苦労されたことは、相手方のニュージーランドの会社に「日本の皆様にぜひ」と説得するのに1年半かかったことでした。余談ですが、私自身も鹿児島に来る直前まではカナダのメープルシロップの輸入開発に関わっていたので、相手方との交渉や信頼を得るまでの過程がどれだけ大変かは容易に想像できます。相手は海外なので、日本の商取引の慣例とは全然違うのです。また、海外からの輸入の単位は基本的に船便なので、約1.2m四方のパレットという単位が基本になってきます。最低取引量を2パレットとか3パレットとか相手に提示されるわけです。想像してください。0からスタートしたばかりの会社にいきなり1.2m四方のものすごい量の食材が何パレットもやってくるのです。海外取引ではリスク回避のために基本的に前払いを要求されます。いきなりすごい在庫を抱えるわけです。それはもう相当の覚悟だったことと思います。
次に一番苦労されていることは、せっかく海外のオーガニック認定等の厳しい色々な基準や規格をクリアしていても、日本国内で「オーガニック」とか「有機」とうたって販売するには、(あの悪名高き)『有機JAS法』が阻んでくることでした。有機JASの申請や取得、そして商品に貼る有機JASマークに至るまであらゆることにかなりの金額と時間がかかってくるのです。メープルシロップのように原料が1つで製造工場も1つで複雑でないものなら申請も比較的スムーズで時間がかからないのですが、離乳食となるとその原料は60種類以上(!)にもなり、その1つ1つに対して申請となるともう何年かかるかわからないし金額も相当かかって非現実的なので、相手方のメーカーも容易に動いてはくれません。それでも日本の消費者の皆様にニュージーランドのオーガニック認定を取得したベビーフードやオーストラリアの低GI認定を受けたスパゲッティをどうしてもお伝えしたく、JAS法等の法的な問題をクリアしながらなんとか頑張っているそうです。
低GIとは食後の血糖値の上昇度合いを表した指標の事で、低ければ低いほど血糖値が上がりにくく、健康やダイエットに良いそうです。ですから低GI値スパゲッティは糖尿病の方にもとても喜ばれているそうです。日本ではまだなじみがない指標ですね。
かごしまんまでも近いうちにSGNさんのオーガニック離乳食も商品化していきます。ぜひSGNフーズ合同会社さんの熱い思いが詰まったHPやショッピングページ、ブログを検索して覗いてみてください。

Edit by 山下 理江

平成27年2月3日

Feb 2. 2015 かごしまんまだより

【畑を見たら言いたいことの半分も言えなくなりました】
今季は野菜セットの白菜を無農薬栽培が得意な新馬場さんにお願いしていました。ヤマト運輸規定で去年から段ボールの大きさも重さも厳しくなり、巨大な野菜を入れられなくなっていたので「今年は小さ目の白菜をお願いします」とリクエストしていました。新馬場さんは例年より白菜を小さめにつくって収穫してくれていました。しかしずっとワイルドな栽培をしてきた新馬場さんは、小さ目の白菜を栽培するのにとても苦労したようでした。できた白菜は緑色の部分が少ない白っぽい白菜になりました。小さくて白っぽいものですから、見た目がちょっと貧弱なものになり、がっかりされたお客様もいらっしゃったと思います。
お客様から寄せられた率直な意見を伝えるべく、新馬場さんに畑を見せて頂きました。その畑は、細い山道をくねくね運転して車を止めてから徒歩で急な坂のあぜ道を登ったところにありました。白菜は夏の間に種をまくのですが、なるべく気温の低く暑さの被害が少ないこの畑を選んで種をまいてくれていました。
畑というよりは、草ボウボウの中に白菜が点在しているような原っぱのような場所でした。「無農薬・無肥料で育てて野菜自身の力だけで育つようにして小さく育てたんだけど、うまくいかなかったわね・・・次のシーズンは品種と種まきの時期を変えてもっといい白菜がとれるように頑張りますね。皆さんに迷惑かけてしまいましてすみませんね・・・・」と申し訳なさそうに畑を見つめる新馬場さんと草ボウボウの畑を見たら、言おうとしていたことの半分も言えませんでした。。。。
さて、新馬場さんの白菜の収穫期は終了し、今週からは平岡農園さんの無農薬栽培のキャベツが野菜セットに入ってます。平岡さんのところは元旦や1月18日に降りた霜できぬさやの表面が白くなってしまう「寒いたみ」が発生して契約していた大手の団体に買い取ってもらえなくなったそうです。ゆでたり炒めたり火を通せば白い模様は消え、風味も何の変りもありません。見た目が悪いというだけで値がつかなくなってしまったり、契約栽培なのに買い取ってもらえなくなってしまったりするというのは日本ではよくあることですが、私個人の考えとしては、消費者の安全のために生産効率の悪い無農薬・減農薬で頑張ってくれている農家さんをもっと思い遣っていけないのかなあ・・・と思います。生産者と消費者がお互いを思い遣る、そういう関係がより安全な食材を生み出していくのではないかと思います。でもそのためには生産者の状況を消費者に伝え、消費者の思いを生産者に伝える橋渡し役が必要になります。白くなってしまったきぬさやを手に取って眺めながら、橋渡しを今まで以上に丁寧にしっかりとやらねばいけないなあと気が引き締まりました。

消費者としては無農薬や無添加の食材を安く手に入れたいと思いますが、生産者さんが農薬や添加物を使うには必ず理由があります。
例えば卵の生産性を上げようとすれば、飼育面積に対して鶏の頭数を増やせばいいのです。でも一定の面積に対して鶏の頭数が増えれば増えるほど密度は増し、衛生状況は悪くなりストレスもかかり病気の感染への危険性も高くなります。よって抗生物質等を投与して病気を防がなくてはなりません。
反対に、病気を防いでかつ抗生物質等を使わないようにするには、空気が良く通る解放された場所で少ない頭数で鶏を飼育しなければなりません。そして餌もこだわるとなればコストはどんどん上がってしまいます。
残念ながら、今の一般消費者の一番のニーズは「安全」ではなく「安さ」です。コストを下げるために鶏には抗生物質を、野菜には農薬を、食材には添加物を入れます。
でもそれらは本当の意味の安全ではないと思いますし、私達の舌の味覚や健康を狂わせていきます。
かといって完全な無添加・無農薬の食材や野菜は日常使いの価格ではなくなって続けられなくなってしまう・・・・この難しいバランスをうまくとっていけるような食材を供給していけるように、これからも生産者と協力して頑張っていきます。

Edit by 山下 理江