山下 理江 のすべての投稿

2021年5月後半版

May 15. 2021 かごしまんまだより

【味蕾を育てる その②『うま味』を開発する】
『美味しい』という感覚はどういう仕組みなのかを①でご紹介しました。
舌の味蕾が栄養を感じ取ったとき脳から分泌される幸せ物質が『美味しい』という感覚です。
逆に酸味や苦味は腐敗物や毒物であることが多いので、それを避けるよう脳に初期設定されています。
しかし経験を積むことで「酸っぱくても腐敗していないし胃腸に良い」「苦くても毒ではなく栄養豊富である」と味蕾を通じて脳が学習していくので、ピクルスやゴーヤがいつのまにか食べられるようになるのです。
ビールやブラックコーヒーが、だんだん飲めるようになるのも同様の原理。リラックスしたりシャキッとしたりする成分を学習していき『美味しい』になるのだと思われます。
点滴から栄養を摂っても『美味しい!幸せ!』とはならないことから、味蕾と脳はどうやら連動しているようです。舌の味蕾って本当に大切ですね。
味蕾と脳が学習すればいいので、極微量を何回か経験することで『マズイ』から『美味しい』に変化します。
この原理を利用して国内外の昔からある素朴な調味料に慣れていくと、野菜同様に『美味しい!』のバリエーションが広がってより一層豊かで『幸せ!』な食生活になります。
なぜなら味蕾の基本感覚の1つである『うま味』が開発されるから。調味料は『うま味』のかたまり。
自然のうま味には身体に良い成分が含まれます。新たな『うま味』を開発するごとに『美味しい!幸せ!』が増えていきます。やってみると想像以上にこれはすごいんですよ~。
おススメの調味料はナンプラー(ヌクマム・魚醤)、オイスターソース、豆豉(トウチ)、八丁味噌、黒酒、塩麹、醬油麴、豆板醤、甜麺醤、コチュジャン、五香粉(ウーシャンフェン)、チリソース、キムチです。原材料の少ない素朴なものを選ぶのがポイント。原材料が少なければ、産地や素性も追いやすいです。
人工的な添加物が入っているものはNG。『調味料(アミノ酸等)』もこれは本名が『グルタミン酸ナトリウム』という化学調味料です。なるべくこれらを避けて選びましょう。なぜNGなのかは次回のかごしまんまだよりに書きますね。
これら昔からある素朴な調味料は、火入れをすることでさらにうま味が出るものばかり。いつもの煮物にちょっぴりナンプラーを垂らしたり、肉野菜炒めにオイスターソースや豆豉をちょっぴり混ぜたり、そんな感じのスタートでいいんです。ちょっとずつ、自由に、味蕾開発を楽しみましょう!
日を追うごとにそれらのうま味がもたらす美味しさの幸せを実感できるようになります。だしの素、コンソメ、ブイヨン、めんつゆなどの人工的なうま味調味料は全く不要になりますヨ~。
ナンプラーを隠し味に入れた肉じゃが、オイスターソースや豆豉や八丁味噌を加えた肉野菜炒め、塩麹や醤油麹を混ぜ込んだハンバーグ、いつもの角煮に五香粉を忍ばせる・・・等々。
極微量を料理に紛れ込ませていくだけでOK。日々少しずつ味蕾に経験させていくことで、大人も子供も『美味しい』がどんどん開発されていきます。そうやって色々な味覚を育てることで、本物の美味しさとともに、たいていの旅行先や海外でもその土地の食にすぐ慣れたり楽しんだりすることができるようになります。
今はコロナ真っ只中ですが、夜明けは必ずやってきます。そのときまで旅行は楽しみにとっておいて、味蕾を開発し、おうちで食の世界旅行を楽しんで『美味しい!幸せ!』がたくさん増えますように。
皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

_____________

コロナに絶対かかりたくない最大の理由に、味覚障害
日常からストイックに、なるべく添加物がふくまれない旬のものを食べるようにする
お茶やコーヒーなどの香り・苦み・酸味・甘みが細分化された趣味を大切にしている
新しいもの・苦手なものに対して心がけていること→毎回ほんのひとくちだけ食べる
化学調味料、ブイヨン、コンソメは使用しない。だしパックや顆粒状だしもなるべく使わない。
昆布・干し椎茸・あご・かつおぶし・いりこ・あご(粉末でも可)・乾燥野菜・干しえびなどなるべく単体を使う
国内外の素朴な調味料を積極的に取り入れる→ナンプラー(ヌクマム・魚醤)オイスターソース、豆豉(トウチ)、八丁味噌、地酒、豆板醤、甜麺醤、コチュジャン、五香粉(ウーシャンフェン)、香辛料、セウジョッ(アミの塩辛)、
自然のサイクルに合わせて、そのときの旬野菜を食べるほうが断然栄養価も高くて美味しいですし、おススメですヨ。旬の野菜のチカラが、私たち含め動物の元気の源になります。
さあ、初夏に向かう野菜たちをどうぞおもいっきり楽しんでくださいネ。

Edit by 山下 理江

2021年5月前半版

May 7. 2021 かごしまんまだより

【味蕾を育てる その①】
『美味しい』という感覚はどういう仕組みなのか。
『食べること』は私達ヒトを含めて動物の生きるために必要な行動であり本能です。
動物は必要な栄養を摂取すると『美味しい』と感じ、脳からβエンドルフィンやドーパミンなど様々な幸せ物質が分泌されます。おいしいものを食べると幸福な気持ちになるのは幸せホルモンが分泌されるからです。
『美味しい』とは、舌にある『味蕾』というセンサーが受けた味覚情報を脳に伝達して感じる感覚のことです。
ヒトの場合、味蕾センサーを通して感じる味覚は甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5つの基本味です(辛味や渋味などは味蕾を経由せず神経細胞に直接作用し、痛覚に近い感覚で受容されます)。
ヒトにとって必要な栄養は糖・アミノ酸・脂質で、それらの甘味やうま味は私達の脳に『美味しい』とインプットされています。
反対に、腐敗物や毒物など動物にとって有害な成分の多くは酸味や苦味を呈するので、これらを本能的に避けるように脳にインプットされています。
味蕾の数は大人になるごとに減っていき、赤ちゃんには大人の1.3倍もの味蕾があります。
なので赤ちゃんや小さな子供は本能的な味覚が優先されるうえ、大人よりも味蕾数が多いため、味を敏感に感じ取ってしまい、漬物(酸味や発酵臭)やピーマン(苦味)などを嫌う傾向があるのです。
しかし何度か食べるという経験を積むうちに「苦くても毒ではなく栄養豊富である」「酸っぱくても腐敗していないし胃腸に良い」ということを味蕾から脳を通して学習していきます。

味覚は、英語などの語学と同じです。幼少の頃から触れて多くの体験があればあるほど堪能になっていきます。
日本人が醤油や味噌や納豆を好きなのは、赤ちゃんの頃からこれらを食べているから。
台湾人が八角やパクチーを好きなのも同じ。ハーフの人が2か国語に堪能で色々な料理を食べられるのも同じ。
推測されるのは、味蕾と脳が多くの経験を積めばいいので、本人にはわからないようにペースト状にしたり極微量にしたりして何回も経験させることが『不味い、ニガテ』から『美味しい、スキ』につながるということ。

さあ、これからやってくる夏野菜は苦いものや酸っぱいものが多いですよ~。
常連さんなら知っている、ゴーヤ祭り(地獄?)。
数年前までは「ゴーヤは苦くて食べられません涙!」と泣いていた方もたくさんいましたが、今では皆さん「暑いときにゴーヤを食べないと疲れが取れなくて!」と仰るまでになりました。
そうなんです、昔から鹿児島や沖縄など南国では夏バテ防止にガツガツとゴーヤが食べられてきました。
栄養学的にもゴーヤの苦味成分であるモモルデシンには、疲労回復や血圧・血糖値を下げる働き・肝機能を高める効果があることが知られ、日焼けからの回復に必要なビタミンC等、夏に必要な栄養素がたっぷりなんです。
経験を積んだ味蕾と脳が、こんなすごい効能のゴーヤを『美味しい!』と認識しないはずがありません。
極微量を料理に紛れ込ませていくだけでOK。日々少しずつ味蕾に経験させ『美味しい』になれますように。
皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

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コロナに絶対かかりたくない最大の理由に、味覚障害
日常からストイックに、なるべく添加物がふくまれない旬のものを食べるようにする
お茶やコーヒーなどの香り・苦み・酸味・甘みが細分化された趣味を大切にしている
新しいもの・苦手なものに対して心がけていること→毎回ほんのひとくちだけ食べる
化学調味料、ブイヨン、コンソメは使用しない。だしパックや顆粒状だしもなるべく使わない。
昆布・干し椎茸・あご・かつおぶし・いりこ・あご(粉末でも可)・乾燥野菜・干しえびなどなるべく単体を使う
国内外の素朴な調味料を積極的に取り入れる→ナンプラー(ヌクマム・魚醤)オイスターソース、豆豉(トウチ)、八丁味噌、地酒、豆板醤、甜麺醤、コチュジャン、五香粉(ウーシャンフェン)、香辛料、セウジョッ(アミの塩辛)、
自然のサイクルに合わせて、そのときの旬野菜を食べるほうが断然栄養価も高くて美味しいですし、おススメですヨ。旬の野菜のチカラが、私たち含め動物の元気の源になります。
さあ、初夏に向かう野菜たちをどうぞおもいっきり楽しんでくださいネ。

Edit by 山下 理江

2021年4月後半版

Apr 15. 2021 かごしまんまだより

【初夏へ向かってGO~野菜は巡るよ】
菜の花があちこちで満開な鹿児島です。
菜の花はアブラナ科ですから、今、アブラナ科の皆さんは花を咲かすことに忙しいです。
アブラナ科チームは、より高い位置に花を咲かせるため、一斉に中心の茎を太く固くして伸ばしていきます。
そうすることでハチやチョウに見つけてもらいやすくなり、色々な所へ花粉(子孫)を運んで貰えるからです。
可食部も大きく固くなっていき、最後は包丁が入らなくなるほどまで固くなり食べられなくなります。
アブラナ科チームが大きめ・固めになっていきますと、僕らの旬は終わりですよ~の合図。
アブラナ科の皆さんは、野菜の中でもレギュラー選手が勢ぞろいです。ずっとスタメンの大根さんと小松菜さん。みんな大好き白菜さんとキャベツちゃん。ルッコラ、ブロッコリー、カリフラワー、水菜など。
品種改良された小松菜と水菜以外は、アブラナ科チームは春から初夏にかけて大きく固くなっていき、花を咲かせて夏には全員消えていきます。
今の時期の大根が大きくて立派なのはそういう理由です。そうです。そろそろ別れの時が近いんです。
この時期の最大のヤマ場は、ニンジンとジャガ芋とタマネギが一瞬だけ揃うこと。
ニンジン選手は旬の終わりで息も絶え絶え。対照的にタマネギとジャガ芋はやわらかくて甘いマスクの新人。
オール鹿児島県産でカレーやシチューをつくれる、貴重な時期なんです。さて今年は何回揃うかしら?
もっとあたたかくなるとつる性(なりもの系)野菜チームが元気になっていきます。
キュウリ、トマト、ナス、ピーマン、スナップエンドウ、キヌサヤなどです。
これらが野菜セットに入って「ああ、春だなあ」なんてほっこりしていると、鹿児島ではすぐにヤツらがやってきます。
そうです、ゴーヤどんとオクラっぺです。最初は小さくて少量なのに、暑さたけなわになるとどんどん大きくワイルドになってしまったゴーヤどんが2本3本平気で野菜セットに入ってきます。オクラっぺも負けずに本数を増やし大きくなっていきます。そうして大きさも数も増えていって「もう許して!!」って頃に秋(飽き?)が来て、夏野菜チームがスタメンから外れていきます。
で、再びアブラナ科チームをはじめとした冬野菜クンたちが元気に戻ってくるのです。
これから初夏に向かって、大根やキャベツやニンジンとしばしお別れになっていきますが、悲しまないで。
実は夏にこれらの冬野菜を食べても栄養も旨みもあまりありません。高原など涼しいところで無理してつくられますので農薬も多く使いがちです。
しかも冬野菜の栄養は「身体をあたためる」ことで、夏野菜のそれは「夏バテを回復する」ことが主な働き。
自然のサイクルに合わせて、そのときの旬野菜を食べるほうが断然栄養価も高くて美味しいですし、おススメですヨ。旬の野菜のチカラが、私たち含め動物の元気の源になります。
さあ、初夏に向かう野菜たちをどうぞおもいっきり楽しんでくださいネ。

皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年4月前半版

Apr 2. 2021 かごしまんまだより

【収穫はキッチンで】
野菜はとれたてが一番。ならば土ごとお届けして、おうちで収穫も楽しめる野菜をつくっちゃおう!
ということでポットレタスを新発売します。
生産者さんは、ここ鹿屋随一のおしゃれスポットaraheam(アラヘアム)を運営しているグリーンショップマエハラさん。araheamの意味ですか?後ろから読むとmaeharaになるからです。
Araheam店内にはおしゃれな観葉植物がジャングルのようにたくさんあります。
塊根植物、多肉植物、エアプランツ、コウモリラン、ウンベラータ、モンステラ、ベゴニア・・・。
その多くが鹿屋のビニールハウスの中で大切に育てられてきたものです。
素敵な雑貨や服もたくさんあります。デザイン性の高いラインナップで、ワクワクした感覚になれます。国内外のアーティスティックな作家さんやデザイナーさんのものが並んでいます。
店内にはカフェ(pot a cup of coffee)も併設されていて、めちゃくちゃ美味しいスペシャリティコーヒーと手作りスイーツが楽しめます。
はじめは植物だけを販売しているだけだったのですが、それですとお客さんの滞在時間が短いことに気がついた前原さんが、生活雑貨やコーヒーを楽しみながら、植物もゆっくり眺めて楽しんでほしいと願って、こういう形のお店になっていったのだそうです。
コロナ禍の去年、まさに私はここの植物や雑貨に癒され、個々のコーヒーの淹れ方を真剣に学び、おうち時間を充実したものにできました。いつのまにかおうちの中は植物やコーヒー器具でいっぱいになって、おうち時間がとても楽しく愛おしく喜びになっていました。・・・そうです、私はaraheamの大ファンです。
そのaraheamの前原さんがプロデュースする『ポットレタス』なんです。
熱く語りますよ~。既にかごしまんまツイッターで熱く語っていますが(笑)。
ポットレタスはポット(鉢)ごとお届けし、お客さんが手でちぎってそのまま口に入れることを想定しているので、農薬も化学肥料も使いません。地元の土を使い、ビニールハウス内できれいな水で大切に育てています。
大きめの葉をちぎるようにして、小さな葉や芽を残すようにすればまたそれが伸びてきて再び収穫できます。
もちろんキッチンでちょっと育てて大きくしてから食べるのもOK。
おうちの中に生きたかわいいレタスがあるだけで、なんだかほっこり癒されるんですよ~。
単品販売も近日中にしますが、まずは野菜セットの中に入れてみますね。
初の試みなので、ぜひぜひご感想やきづいたこと等なんでもメールやメッセージやツイート等でお寄せください。
反応が良ければ、ポット野菜の種類を増やしていけたらなと思っています。ハーブとかも良さそうですね。
araheamの姉妹店araheamyが東京の渋谷にも去年オープンしました。お近くの方はぜひ遊びに行ってみてくださいネ。

皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年3月後半版

Mar 15. 2021 かごしまんまだより

【311から10年】
東日本大震災から10年。
かごしまんまをご利用してくださっている多くの皆さんには特別な節目だったのではないでしょうか。
多くのメッセージを頂きました。10年の応援、本当にありがとうございます。ここにご紹介させて頂きます。
(勝手に掲載してすみません。またここには載せきらなかったお言葉にも同様に、心から感謝申し上げます)

「今日は3月11日です。 10年前、私の世界は変わりました。 怖い、悲しい、不安、たくさん考えて今日まできました。 あのとき自分は変われて良かったと思います。」
「楽しく生きましょう。東日本の震災から10年、一生懸命に生きていたら過ぎてしまいましたね。」
「一人ひとりの3.11があったと思います。まだ、その記憶が鮮明で過去を引きずっているとか、立ち直ろうとしているとか、もう別の道を歩んでいるとか様々でしょう。当時の思いや怒りなど振り返り忘れることなく未来に向かって行くしかありません。」
「あれから10年ですね。まだ、10年。まだまだ、先は長いです。頑張らないとと、気を引き締めています。」
「移住や長期保養が難しくても、どうにかやっていられるのは、かごしまんまさんの定期便のおかげです!」
「東日本大震災から10年。原発事故の後始末は全く進んでいませんね。私たちの生活はどうでしょう?りえしさんの『同じ空の下』という言葉に本当に励まされています。これからも一緒に頑張っていきましょう!」
「あの日から10年ですね。もう10年、まだ10年です。 何が起きたのか、引き続き忘れないでいなくてはと思います。10年前、空のレジかごを持ったままスーパーで途方に暮れた自分が どれだけかごしまんまさんに救われたことか! 改めて感謝申し上げます。」
「かごしまんまさんに出会ったのは最近だけど、心はずっと同じです!これからも頑張っていきましょう!!」
「311から今日で10年ですね。昨日のことのように思い出します。あれから、なかなか希望が見いだせない日々が続いているように思います。」
「本日は3月11日ですね。もう10年経ってしまいました。元気に前を向いて生きていきましょう!」
「あの日からついに10年が経とうとしています。10年後なんて想像も出来なかった、かごしまんまさんを続けていてくれてありがとうございます。ただ安心な食材が手に入るというだけではない、心の支えでもありました。この先も健康に気をつけて、末長く続けていってくださると嬉しいです。」 

度重なる消費税増税や送料や資材の値上げ、そして大手モールの送料無料化など、この10年のあいだに何度も経営危機に見舞われてきました。
なんとか踏ん張ってかごしまんまを10年続けられてこれたのは皆様の応援やご理解とご協力のおかげです。
311をきっかけにして生まれたかごしまんまですが、次の10年はもっと前向きに『九州の食の喜び』をより多くの人に楽しんで頂けるようなショップに少しずつ変化させながら進んでいこうと思います。
これからもおうちごはんを喜びにするお手伝いをさせて頂ければ、と思います。どうぞよろしくお願いします。
皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年3月前半版

Mar 2. 2021 かごしまんまだより

【醤油の苦悩】
以前「鹿児島の醤油は甘い」というお話をしました。
寿司屋や和食屋さんのテーブルにある醤油が甘いんです。砂糖と醤油が1:1なかんじの甘さです。
でもこの醤油の原材料表示には、サッカリンやカンゾウやステビア等の人工甘味料が記載されていて、砂糖は全く入っていません。
これは人工甘味料のほうが砂糖の何百倍もの甘さがあるので使用量が少なくコストを下げられるから。
人工甘味料の甘さは均一なので醤油の味を安定させやすいため、不安定な甘さの天然甘味料(砂糖)よりも人工甘味料が使用されるのだそうです。
私はこの醤油で刺身やお寿司を食べると、舌がチリチリします。この醤油を使った煮物や漬物やラーメンなど食べても、ずっと舌に何か味が残って不快な感じがあります。おそらく人工甘味料が私に合わないのでしょう。

しかしここ鹿児島ではこの甘い醤油が人々のソウルフードで、食の基本です。
『無添加』をめざすお店でない限り、ほぼ全ての食材や飲食店の醤油がこれなのです。

これがかごしまんまの商品開発上、一番のネックとなっています。
なぜ商品が増えないのか、なぜ地元に溶け込めないのか、なぜ孤独なのか・・・。
全てはこの醤油にあるといっても過言ではないでしょう!
鹿児島は食の宝庫です。
かごしまんま設立当時は、たくさん商品化するぞ!と意気込んでいました。
しかしどの商品にもこの醤油が入っていて、むしろ入っていない商品を探すのが大変で・・・涙。
商談時、業者さんに醤油の話をすると「この醤油じゃないと地元で売れないからね・・・」と顔が曇ります。
なのでかごしまんまにはお惣菜商品が少なく、鹿児島人が作るため(甘い醤油が入っていなくても)甘めの総菜になってしまうのです。

鹿児島ではどこの食事会や飲み会でもこの醤油が使われた料理が出て、刺身や寿司はこの醤油で食べなくてはなりません。出されるお菓子や飲み物も人工的なものが多く・・・涙。
コロナ禍で食事会や集会などのつきあいが全てなくなりましたが、私にとっては今ストレスフリーです(笑)。

鹿児島は畜産王国で、黒豚も黒毛和牛も鶏もめちゃめちゃ美味しいです。漁業も農業も盛んで、食材が豊富で、味噌も酢も塩も酒も製造元があります。とてもいいところです。いつか鹿児島にぜひ旅行に来て欲しいです。
しかし醤油だけは・・・マイ醤油を持参した方がいいかもしれません。(鹿児島の方々、ホントスミマセン!)

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年2月後半版

Feb 16. 2021 かごしまんまだより

【キャベツの苦悩】
「野菜セットにキャベツが入らないのはなぜでしょうか」というお声をいただきました。
そうですよね・・・なかなか野菜セットに入れられなくなってしまいましたね・・・。
キャベツのこと。いつかかごしまんまだより等でお知らせしなければならない、とずーっと思っておりました。
創業当時からできるだけ野菜セットに入れてきたキャベツ。しかし数年前のヤマト運輸さんの度重なる運賃大幅値上げによって、難しくなりました。
段ボール箱の大きさや体積に制限がかかり、運賃もおよそ1.5倍に値上がりしたからです。
最も痛手だったのは、クール便の最大サイズである120サイズ箱(かごしまんまでは長細い段ボール箱)になると、サイズ加算数百円とクール便料金が600円も(!!)加算されるようになったことです。
通常のかごしまんま段ボール箱(側面に赤い矢印の印刷がある100サイズ箱)よりも750円~1000円以上(お届け地域によって違う)加算されるようになりました。
そのため大きなキャベツや白菜が野菜セットに入る日は多くのお客さんの箱が120サイズになり、運賃負担によるマイナスがじわりじわり増加していきました。
それでもキャベツを野菜セットに入れ続けあっという間に2年連続で大幅な赤字になって資金が不足し、公庫や銀行から借金を重ね、税理士さんからも「運賃が膨らんでいるので運賃コストを削る努力を」と指摘されました。
運賃コストを下げるには、①ヤマト運輸さんに運賃を下げてもらうか、②お客さんに頂く送料を値上げするか、③120サイズにならないように内容を工夫するしかありません。しかし①も②も非常に難しい・・・。
なるべく段ボール箱が120サイズにならないようにするしかなく、大きなキャベツや白菜を野菜セットに入れられなくなってしまったのでした。キャベツや白菜は野菜のレギュラー選手なのに、さみしいですね・・・。
また、キャベツや白菜などの大きい野菜は加算運賃分もプラスした価格設定にし、個数制限もしなければ1つの段ボールに収まらなくなりました。通販業界のキャベツや白菜が高額な価格帯になってしまうのはこういう理由です。クール便じゃなければ、運送会社の選択の幅も広がり、もう少し安くできるのですが・・・。
以前のようにはなかなか野菜セットには入らなくなってしまいましたが、たまに小さいキャベツや白菜が入荷できる時にはなんとか工夫して野菜セットに入れていきたいです。
『野菜セットにはもうキャベツは入れない!』という方向も考えたのですが、それはなんだかやっぱり冷たい決定のようで・・・堂々巡りで悩んでます、すみません。
キャベツ、特に今季は豊作なので本当はたくさん野菜セットに入れてお届けしたかったです・・・。
昔は段ボール箱のサイズによってこんなにも運賃が変わることはありませんでした。
配送業界も厳しい世界です。慢性的なドライバー不足や自動車税関係やガソリンや消費税負担の増加など今の社会構造が変わらない限り、新たな運送会社も出てこないでしょうし、運賃も下がらないことでしょう。
いつかまた水幸農園さんの巨大キャベツや市場仕入れの巨大白菜を野菜セットに入れる日が来るといいなあ。「巨大でビックリしました」というお客さんからの声をまた聞きたいです。

今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年2月前半版

Feb 2. 2021 かごしまんまだより

【おうち時間を楽しむ】
コロナによるおうち中心生活も早1年ですね。去年の今頃はマスクや消毒液やハンドソープ等がどこの店頭にもなくて、精神的に厳しい時期でしたね。
我が家では、どこにも行けない子供達がよく庭にテントを張ってそこで宿題したりご飯を食べたりしていました。
私もおうち生活を充実させようと、衣装ケースを買って衣類の整理整頓をしたり、断捨離をしたり、オーディオやスピーカーを新調したり、DIYで棚やフックを取り付けて観葉植物や飾り物を買ったりしました。
よかったなあと思ったのは、観葉植物です。我が家は狭いので、壁に飾るタイプのつる性植物のフィラデンドロンや着床植物のコウモリランが大活躍でした。壁や天井から吊るすだけで、家の中が癒される空間になりました。
多肉植物や塊根植物も小さなスペースに置けるので便利です。植木鉢もこだわると楽しいです。
それとコーヒーの淹れ方がプロ並みになってきたと自負してます(笑)。
美味しいスペシャリティコーヒーを淹れてくれるカフェが近所にあって、そこに通ううちに色々教えて頂きました。
スペシャリティコーヒーとは、生産されている土地、生産している人、収穫後の生産処理方法、生産処理をする人、買い付けから流通ルート、焙煎方法、淹れ方など基本的に全て消費者に開示されているコーヒーのことです。
かごしまんまスピリッツに合っているコーヒーですね。産地を気にする者としてはめちゃめちゃ安心です(笑)。
いやあコーヒーの世界も深いです。スペシャリティの世界に足を踏み入れると、収穫後の生産処理方法や焙煎方法、抽出するお湯の温度や時間によって全然違うものになって、1杯1杯真剣勝負なのでとても面白いです。
これを知る前はモカやキリマンジャロをよく飲んでいましたが、スペシャリティコーヒーを知ってからは浅煎りで酸味と香りが強くてナチュラル発酵系のエチオピアやボリビアやゲイシャなんかが好みになりました。
洗濯や食器洗いにもいっそうこだわるようになりました。
あまり人に接触しなくなったせいか、色々な香料がいっそう気になるようになりました。合成洗剤などの人工的な香りがどうしてもダメになりました。
そこで食器洗いは、自己責任で洗濯用として販売されている『粉せっけん』を大さじ3杯、計量カップに入れてお湯500mlに溶かして使うようになりました。粉せっけんは高級台所せっけん洗剤よりもずっと安価ですし、少量のお湯で溶かすとトロントロンせっけんになって、濃く使えば頑固な油汚れもあっさりすぐに落とせます。手荒れもかなり軽減されます(※食器洗い用粉せっけんは市販されていないので、自己責任で洗濯用粉せっけんを使っています)。
洗濯は、アルカリウォッシュ(通称セスキ)と酸素系漂白剤でまず洗濯機を回してから、脱水後にもう1度クエン酸を小スプーンで3杯入れてすすいで脱水しています。そうするとアルカリ性の汚れも酸性の汚れもどっちも落とすので、臭いや香りがすっきり消えてくれます。手間はかかりますが、ニオイがしないのでとても気に入っています。
換気扇やコンロまわり、ドアノブなど家中の汚れはアルカリウォッシュでシュシュッと落として、それでも落ちない汚れはクエン酸水でシュシュッとすると落ちます。これは、汚れは酸性とアルカリ性に分かれるのでそれによって使い分けるとよく落ちるからです。洗濯や掃除は化学ですね。
コロナによって外出が不自由になりましたが、その分おうち時間を楽しめるようになった1年間でした。
皆さんはおうち時間、どう楽しんできましたか?
今日も皆様の冷蔵庫と食卓とおうち時間が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年1月後半版

Jan 19. 2021 かごしまんまだより

【寒すぎて葉物が成長できず】
おババ農園のパセリ、おババが張り切ってたくさん植えこんだのにもう販売終了になってしまいました。
(おババ農園・・・私の母がかごしまんま敷地内でやっている畑のこと。かごしまんまから出る野菜屑でたい肥を作り、無農薬・無化学肥料でやっています。)
パセリがぜんぜん大きく伸びてくれないんです。まるでヨモギやたんぽぽの葉のように地面に添って伸びるだけ。
本当にこれはパセリなんだろうか・・・と思うほどです。本来は1株からたくさん葉っぱが収穫できるのに、全然成長してくれないので根っこごと何株も収穫せねばならず、あっという間に終了となってしまったのでした。パセリを根っこごと収穫するなんて私も初めてです。
今年はほうれん草も小松菜も深ネギも大根もみんな小さいままです。例年の今頃ならいつもお化けサイズなのに、どうしてなのでしょう。
平岡農園さんによると、これは今年の冬が寒すぎるからだそうです。気温が低すぎると冬野菜もあまり成長しないのだそう。いやあ、それほど今年の冬は寒いのですね。お正月は鹿児島でも霧島などの山の方では降雪がありました。ここ鹿屋市は雪こそ降っていませんが連日かなり寒かったです。
鹿屋といえば特産の落花生も今季は不作でした。
原因は災害級だった7月の豪雨。鹿屋の市街地が水没したというニュースが全国に流れましたね。
落花生は土の中の作物なので雨にとても弱く、あの豪雨で多くが腐ってしまったとのことでした。
去年は梅も『裏作』と呼ばれる年に当たり、不作でした。『裏作』とは豊作の次の年に起こることが多い『なぜか不作』のことで、全国的に同じようなリズムで起こる現象で収穫量が極端に少ない年のことです。
なので落花生商品や梅干しは今年の夏か秋位まで品薄が続きます。すみません。
不作と言えば、近年ずっと九州の大豆が不作です。それで2倍の値がついてしまい、多くの豆腐・納豆メーカーが九州産大豆から「国産大豆」に切りかえていってます。その多くは北海道産だそうです。
不作が続くとメーカーはじわりじわりと原料調達を切り替えていきます。一度切り替えた原料はなかなか元に戻りません。新たな取引先をまたスパッと無情に切ったりできないからです。すると旧原料の生産者さんたちは売り先を失い、高齢化の波もあってポツリポツリと農業をやめていきます。そして大きな資本と広大な土地があって機械化できる大規模な生産者さんだけが残っていきます。大規模な生産者さんは均一な品質とコストを優先します。タネや農薬や化学肥料の危険性はあまり考えません。また多くの消費者も安さ重視の食料選びなので、日本各地から小さな生産者さんがどんどん消えていっていることに気がつきません。今の日本は野菜や食材だけでなく多くの分野で同じ現象が起こっています。良いものがひっそりひっそりと消えていってしまうのは非常に悲しいですね。
寒過ぎて葉物野菜が育たないというお話から、ずいぶん話題が飛んでしまいました。
小さな生産者さんを守るために、市場では値がつかない規格外野菜も、品質に問題がなければかごしまんまでは積極的に通常価格で買い取っています。今回の葉物野菜も、市場では規格外サイズですが、品質には全く問題ございません。むしろ自然の寒さに耐えるために糖分などのミネラルをたくさんつくり出していたりして美味しかったりもします(寒さに耐えて固くなることもありますが)。どうぞ自然のままのワイルドな野菜を楽しんでくださいネ。
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江

2021年1月前半版

Jan 8. 2021 かごしまんまだより

【新年おめでとうございます 今年もよろしくお願い申し上げます】
これを書こうとしたところ、新規感染者数がついに2000人を超えたというニュースを目にしました。
全国各地で自宅で亡くなる感染者が増え続けているという現実もあわせて、いよいよ来てしまった・・・と暗い気持ちになりました。
Withコロナで経済を回しGoToで旅行業界や飲食店を支えよう、という考えは幻想でした。今、旅行・飲食業界を救えるのは経済ではありません。国民のお財布という不安定でアテにならないもので支えるのではなく、自粛要請をした国や地方自治体がきっちり補償すべきです。『主に社会保障のために』上げられた私達国民からの消費税をまともに使って活躍させるときです。既にコロナ禍の影響で消費税(付加価値税)減税に踏み切った国・地域は50にのぼっています。まだ終息せず多くの国民が困窮しているのに、GoToでお金持ちに何度も得をさせる形で経済をまわす発想をしていた日本。経済が回復する前に社会基盤(特に医療や雇用)が危険水域になってしまいました。
ワクチンや特効薬ができてからwithコロナという言葉が出るならわかりますが、感染症の歴史の中で『withウイルス』なんて発想は聞いたことがありません(戦った結果としてwithウイルスになった例は多数あります)。
基本は汚染区域と清潔区域を分ける、汚染集団全てを隔離する、流行地域への立ち入り禁止、動物であれば1個体でも感染した集団は全て殺処分する(例:鳥インフルエンザ等)、そういう対策をとるのが感染症です。WithコロナでGoToすれば感染爆発することは容易に予想できたはずなのに、どうして政権の暴走を止められなかったのでしょう。
医療や介護は崩壊してもいいのでしょうか。どこぞの大臣は「日本人は民度が高いから感染が抑えられている」と仰いましたが本当に低い民度です(そもそもこの民度という言葉で人間に優劣をつける発想自体どうかしています)。
そういう背景が、今回の緊急事態宣言を非常に弱々しい内容にしてしまったのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、感染症対策の基本は感染者の洗い出しと隔離とゾーニングです。時短営業ではありません。人数を少なくすれば会食をしていいというルールもありえません。人の移動や接触を極力させないのが基本です。
症状のあるなしに関わらずその地域のできるだけ全員の頻繁な検査による徹底的な感染者発見と、昼も夜も関係なく極力移動しないことが最大の予防と制圧作戦になるのです。
多くの医療関係者が予測するように、こんな緊急事態宣言では効果はあまり期待できないでしょう。
・・・て新年早々、怒り心頭になってしまいました。
こんな状況ですが、2021年。新しい年がはじまりました。今年もよろしくお願い申し上げます。
新たな気持ちで、また立ち上がってまいりましょう。特効薬もワクチンもない状況ではまず免疫力を上げること。
免疫力を上げるには、一番に睡眠、そして旬の野菜や食材中心の食事を心がけること。
どんなに近代化が進んでも私達人間は自然界の一部であり、季節と共に身体が変化していきます。
季節をなくした野菜や食材やサプリよりもずっと、四季折々の恵みは全ての生命にとってその時期に必要なもの欠かせないものを与えてくれます。『旬』は、免疫力において最も重要なファクターです。
そしてこれも何度でも言います。明けない夜はありません。止まない雨もありません。
世界中のすべての人々が、コロナ禍からの夜明けを信じて頑張っています。
さあ、とびっきり美味しいおうちごはんを楽しんで、あとひと踏ん張りふた踏ん張りとやってまいりましょう♪
今日も皆様の冷蔵庫と食卓が安心と幸せで一杯になりますように。同じ空の下、心から願っています。

Edit by 山下 理江